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演奏時間:5:00
グレード:4
編成:クラリネット三重奏
楽器編成
1st Clarinet in B♭
2nd Clarinet in B♭
3rd Clarinet in B♭
この曲はドイツの美術史家、アビ・ヴァールブルク(1886-1929)の著書『蛇儀礼』を作曲のヒントとして作曲された。しかし作曲の際には本の内容を題材にしたわけではなく、作曲者自身が想像した「架空」の民族的儀礼のイメージが基となっている。曲は3つの楽章から成る。それぞれの楽曲のイメージは以下の通りである。
・I. マララコナドに伝わる黒蛇の踊り
マララコナドは東南アジア地方に100年ほど昔まで存在した小さな村である。この村では、蛇は「邪」をもたらすものとして恐れられていた。そのため村では年に数回、捕まえた蛇を地に叩きつけ、酷い場合は引き裂くという残酷な儀式が行われていたという。
・II. 呪詛
東欧からロシアにかけて伝えられた儀式。三人の僧によって、緩やかで遅い呪文と激しく早い呪文が交互に繰り返される。
・III. 稲妻踊り
アメリカの先住民プエブロ・インディアンの儀式。彼らによって崇拝された蛇は、「稲妻」の形に描かれている。先住民たちにとって蛇は雷と同一だったのかも知れない。彼らは捕まえた蛇を雷の神とみなし、石でできた楽器のような装飾品を身につけ、激しい踊りを行う。昼から夜中そして夜が明けるまで、踊り続ける。
演奏の際には曲の中に使用されている音階に着目すると良い。半音階ばかりの部分や他の既存の音階が使われているときもあるが、その多くは既存の諸々の音階をヒントにし、作られている。これらの響きを重視してほしい。
第1楽章及び第3楽章に用いられるスラップタンギングは楽譜通りに演奏されるのが望ましいが、難易度が高いため、演奏が困難な場合は省いても良い。
(尾崎一成)
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