アンサンブル楽譜Ｐｒｏ

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作　　曲：田村文生
グレード：5
演奏時間：約5分
楽器編成：
Piccolo/Alto Flute in G
Piccolo/Flute/Bass Flute
E♭Clarinet (or B♭Clarinet)/Bass Clarinet
B♭Contrabass Clarinet (or B♭Bass Clarinet)
Percussion
1・・・(Drum Set, Bongo, Timpani)
2・・・(Xylophone, Antique-Cymbal)
3・・・(Glockenspiel, Vibraphone, Tam-tam, Cowbells)
4・・・(Chimes, Tambourine, Triangle, Suspended Cymbal, Cowbells, Marimba)


《楽曲解説》
この作品では、様々な音楽的要素の「歪み」が念頭に置かれている。例えば異なる複数の楽器が同じ旋律を演奏する（ユニゾン）際、その完全な一致は、実のところ有り得ない。むしろ、音高やリズムの微細な差異によって、ユニゾン独特の響きが生じることになる。それは言うなれば、音程やリズムの「小さな歪み」によって生じるものである。また、曲の一部では2つの楽器による旋律の運動が鏡面構造を形成しながらも、そこに映し出される像は、少し凹凸のある鏡に映された像のように、鳴り響きの差異によって多様に歪む結果となる。しかしこのような歪みは、拍節について最も顕著であろう。例えばリタルダンド、ルバート、フェルマータのような時間に関わる表現要素は、規則的な拍節からの逸脱を意味するが、そもそも、伝統的な意味での作曲は、ある音を半ば無理やりに規則的な拍節構造に押し込めるという側面を持つ。しかし、そのような束縛からの解放（すなわち時間的な歪みの生成）によって、音楽は音楽らしく、歌が歌らしくなるのではないだろうか。
様々に歪められながらも、歌わなければならないオブセッション、あるいは歪められ、破壊された歌の残滓へのフェティシズム、それらがこの作品の基になっているように思う。
2005年、埼玉県川口市アンサンブルリベルテの団員のために作曲。（田村文生）



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