2002年秋、創価グロリア吹奏楽団の委嘱により、同吹奏楽団クラリネット・アンサンブルのためのコンテスト・ピースとして作曲。
“ルンバ”はキューバ黒人の民族音楽で、打楽器とコーラスのみで演奏され、ポリ・リズムを含んだ複雑なリズムを持つ。ダンス音楽として知られるルンバは、実はキューバのルンバとは関係なく、たんに名前を借りただけで、その実体は同国の民俗舞曲ソンの変形と考えられている。
土俗的な躍動感を秘めた本来のルンバは、多様なリズム構造の上に成り立つために、その形態を楽譜に書き表すのは大変にむずかしい。そこで、比較的単純なリズムを組み合わせることで、それらしい雰囲気を模倣してみた。シンコペートされたリズムが徐々に重なり、ひとつの大きなリズム・パターンに発展する冒頭部分が、この作品全体の基本的なイメージの象徴である。
タイトルの“シーケンス”は、音楽用語としては「反復進行」を指すが、ここではたんに「連続するルンバ」と言うほどの意味である。
演奏時間 5:00
参考音源 −
グレード 4+
編成 Bb Cl.1-4