商品紹介
この曲の原曲は、ピアノ連弾曲です。ラヴェル自身によりオーケストラにも編曲されていますが、マリンバとピアノとの2重奏はとても魅力的です。マリンバの明るい音と音域の広いピアノとの演奏は、オーケストラサウンドを感じさせます。各楽章のイメージを膨らませ対比が出るように演奏しましょう。演奏箇所によってはグロッケンシュピールで演奏してみたり、パーカッションを入れても面白いと思います。(菅原淳)
●演奏上のアドバイス
この曲全般にわたってマリンバパートは「ロール」がキーポイントになると思います。体重移動を意識して、身体がマレットを「連れてくる」ようなイメージで。決して早過ぎず色々なスピードで演奏できるとさまざまな表情が表現できると思います。
1.眠りの森の美女のパヴァーヌ / Pavane de la Belle au bois dormant.
この曲はとてもシンプルな構成になっています。5小節目からのロールは細かく、9小節目アウフタクトからのフレーズは豊かに演奏しましょう。ところで「パヴァーヌ」って知っていますか?同じラヴェルの「亡き王女のパヴァーヌ」やフォーレのものがありますがこれらの曲を聴いてみると感覚が掴めるのではと思います。
2.おやゆび小僧 / Petit Poucet
ロールが4連符、6連符くらいの速さが中心となりますが所々3、5連符を入れるとゆるやかな表情も出ると思います。[E]の小鳥のさえずりの部分は私はバードコールという楽器で演奏しました。
3.パゴダの女王レドロネット / Laideronnette, Imperatrice des Pagodes.
マリンバパートは黒鍵しか使われない作品です。私はマレットを右手に2本、左手に1本持って演奏しましたが慣れない場合は1本ずつでも問題ありません。全体的にみずみずしい表現ができるように、そして[J]からはロールもゆるやかに豊かに演奏しましょう。
4.美女と野獣の対話 / Les entretiens de la Belle et de la Bete
エリック・サティの「ジムノペディ」の影響を受けている作品です。冒頭は美女のテーマ、[B]からは野獣、[D]で美女と野獣が出会ってFで野獣が王子に変身します。それぞれのキャラクターの違いを大切に表現しましょう。
5.妖精の園 / Le jardin feerique
前半はロールは豊かな響きを意識して早過ぎず、[C]のppは微かに聴こえるくらいで良いと思います。[B]はグロッケンシュピールで演奏しました。マリンバで演奏する場合はロールがバタバタし過ぎないように重心の移動が手助けになるよう意識して練習してみて下さい。(西久保友広)