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■楽曲解説
この作品は能「道成寺」の物語を基にして作曲しています。
「長い間失われたままであった道成寺の鐘が、やっと再興され供養することになった。道成寺の住職は女人禁制を言い渡すが、日暮れ前に1人の女が現れ、舞を奉納するという申し出に寺男は中に入れてしまう。道成寺の縁起を謡いながら舞を続けるうちに、隙をうかがって鐘に近づくと、鐘が落下し女はその中に消えうせる。
境内は騒然となり事情を聞いた住職は、道成寺にまつわる恐ろしい物語を始める。
昔、真砂の荘司の娘は父親の冗談を本当のことと思い込み、毎年宿を借りる山伏を将来の夫と信じていた。それを知った山伏が、この寺に逃げて来たので寺の鐘を下ろして隠したところ、娘は執心のあまり大蛇となって追いすがり、鐘に巻きつくと焔を吹きかけて鐘と共に山伏を焼き殺してしまったという。
女の執念が残っていることを悟った従僧たちが鐘に向かって祈祷を行うと、鐘はふたたび上がり、中から蛇体が現れる。激しい争いの末、鐘を焼くはずの炎でわが身を焦がし、日高川の底深くに姿を消す。」
作品の中では場面が沢山変化するので、間の取り方や音色を工夫すると効果的に演奏できるでしょう。そしてまとまりのあるサウンドを作るために、全体の音量バランスに気をつけて取り組んで下さい。
(松下倫士)
■松下倫士 プロフィール
東京芸術大学音楽学部作曲科を経て、2009年同大学院修士課程作曲専攻修了。芸大同声会賞受賞。これまでに第37回全四国音楽コンクールピアノ部門最優秀賞、第3回弥生の里ジュニア音楽コンクールピアノ部門第2位、併せて春日市教育長賞受賞したほか、2007年「現代日本のオーケストラ音楽第31回演奏会」では小松一彦指揮、東京フィルハーモニー交響楽団により「交響的変容」が初演され、日本交響楽振興財団第29回作曲賞受賞。2008年には第5回北本ピアノコンクール大学院生・一般部門第1位、併せて全部門より最優秀賞受賞。東京フィルハーモニー交響楽団とラヴェルのピアノ協奏曲を共演。2010年第22回宝塚ベガ音楽コンクールピアノ部門第2位。2012年奏楽堂日本歌曲コンクール第19回作曲部門(一般部門)入選。伴奏ピアニストとしても高い評価を得ている。
また21世紀の吹奏楽「響宴」にて作品が取り上げられるなど、これまでに吹奏楽やアンサンブル作品も多数演奏され出版されているほか、日本コロムビアより「僕が僕であるために〜尾崎豊 オン ピアノ」(編曲・演奏)もリリースされている。作曲、演奏活動のほか吹奏楽、合唱指導など幅広く活動を行っている。