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■楽曲解説
この作品はフルート3重奏曲「エオリアの妖精」に続く作品です。初演は2011年12月12日、東京津田ホールにおいて、武蔵野音楽大学・佐野悦郎教授によるフルートリサイタルで行われました。5つの楽章それぞれにタイトルがつけられています。
1.彼方から from far away
2.寓話 Allegory
3.秋のエオリア Aeolia in Autumn
4.黄昏に in the twilight
5.影の谺 echo beyond the shadow
初演時は欧文によるタイトルでしたが出版にあたり邦文名をつけました。ベースになっているのは「エオリア」に象徴するように教会旋法から生まれるアルカイックなうたであり、その響きの世界がそれぞれの楽章に投影されています。
楽章毎に「緩―急」の変化がありますが作品全体が一つの大きな流れになっています。
もちろん楽章を自由に選んで演奏してもよいでしょう。
なおこの中の第3章「秋のエオリア」を全体の作品名にしています。
アンサンブルは楽しいものです。奏者間に流れる息遣いの妙をこの作品でも味わっていただければと希っています。
(柳田孝義)
■柳田孝義 プロフィール
1948年北海道札幌市生まれ。札幌北高校卒業後、武蔵野音楽大学作曲学科入学。戦前、戦後を通じ数多くの音楽家を育成したクラウス・プリングスハイム教授に6年間師事する。1972年同大学大学院を修了。
21歳の時、第38回日本音楽コンクール作曲部門第一位、作曲賞を受賞。大学院修了の後ミュンヘン音楽大学に留学しハラルド・ゲンツマー教授に師事。在学中にミュンヘン在住の作曲家ウォルフガング・フォルトナーなどMusik Unser Zeitの作曲家たちと交流する。帰国後は日本現代音楽協会、日本作曲家協議会の会員となり作品展に数多くの新作を発表、作品の多くが出版されている。またNHK教育番組の音楽制作に長年携わる。
1993年からは作曲家団体オーケストラ・プロジェクトに参加。以後、これまでに同団体から発表した作品は6曲、ウインドオーケストラも含めるとこれまでのオーケストラ作品は15曲を数える。1997、1999年にオーケストラ・プロジェクトのメンバーとして文化庁芸術祭で優秀賞受賞。2005年にはアメリカオレゴン州ポートランド市にあるNorth Pacific Musicから柳田孝義オーケストラ作品集のCDが刊行されており、また2006年にニューヨークで開かれたF.ティケリ国際作曲コンテストで「西風の肖像」が第3位を受賞している。
現在、文教大学教授。また武蔵野音楽大学でも指導にあたっているほか、日本電子キーボード学会代表幹事、日本現代音楽協会会員、日本作曲家協議会会員、日本音楽著作権協会正会員を務めている。