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アストル・ピアソラ(1921-1992)はアルゼンチンの作曲家。若い頃からナイトクラブなどのタンゴバンドでバンドネオンを演奏しキャリアを積んでいましたが、その後クラシカルな作曲技法を学びタンゴに取り入れて、バッハ、ドビュシーなどの偉大な作曲家の音楽、さらにはジャズなどからの影響も受け、タンゴを伝統的な形から開放し、より複雑な形式を与えて独自の音楽を作り上げました。
この作品はピアソラが父の訃報を受け失意の中書き上げたもので、その後生涯演奏し続けるピアソラの代表作となりました。ノニーノとはピアソラの父ビセンテの愛称です。
本アレンジは2011年7月に東京オペラシティ・リサイタルホールにて開催されたフランス人サクソフォン奏者ジェローム・ララン氏のリサイタル(ゲスト:ヴィーヴ!サクソフォン・クヮルテット)にて演奏されたサクソフォン5重奏とピアノによる6重奏バージョンがもととなっています。原曲だと最後は静かに曲を閉じるのですが、本アレンジはコンサートの最後で華やかに終れる様にとかなり賑やかになっています。
演奏にあたってはピアソラ本人の演奏音源を聴いてイメージを膨らませて下さい。最愛の父の死への悲しみ、そして父の愛情への感謝や思い等を感情移入していただいたらきっと素晴らしい演奏になると思います。 (浅利 真)
●編曲者プロフィール 浅利 真(あさり まこと)
武蔵野音楽大学卒業。サクソフォンを須田寔、松沢増保、浜康幸、杉本孝幸の諸氏に師事。平成16年度文化庁芸術団体人材育成支援事業、第32回楽譜制作作品演奏会「日本の作曲家2005」(音楽監修:三枝成彰)に出演、北爪やよひ作曲『ENEKVIII』を初演する他、「東京・春・音楽祭ー東京オペラの森」「軽井沢八月祭」等の音楽祭にも多数出演。
第14回及び第15回ワールド・サクソフォン・コングレス(スロベニア/タイ)への出演や、2010年11月にアメリカ、シアトルにて開催されたウェスタン・インターナショナル・バンド・クリニックにソリストとして招かれるなど、海外での活動も積極的に行っている。
ソロリサイタルシリーズ「浅利真サクソフォン・ナイト」これまでに4回開催した他、ヴィーヴ!サクソフォン・クヮルテットのバリトンサクソフォン奏者として10回のリサイタルを成功させている。
またアレンジャーとしての活動はサクソフォンではソロから大編成アンサンブルまで、さらに室内楽や吹奏楽など多数の作品を手がけており、音楽雑誌での編曲、映画「フレフレ少女」の劇中に使用されている吹奏楽アレンジを担当した。
現在、埼玉県立芸術総合高等学校音楽科サクソフォン非常勤講師ほか、ソロ、室内楽、吹奏楽、各種コンクール審査員、吹奏楽指揮者・トレーナーとしても活動しており、後進の指導に当たっている。21世紀の吹奏楽「響宴」会員。
データ 演奏時間:約5分45秒
グレード:4
編成:サクソフォーン6重奏
詳細編成 S.Sax/A.Sax 1-2/T.Sax.1-2/B.Sax.