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作曲: ヨハン・シュトラウス2世 (Johann Strauss 2)
編曲: かとうまさゆき (Masayuki Kato)
編成: 4重奏
Eb Clarinet
Bb Clarinet 1
Bb Clarinet 2
Bass Clarinet
グレード: 4
「ワルツ王」ヨハン・シュトラウス(Johann Strauss II 1825〜1899)といえばニューイヤーコンサート。「美しく青きドナウ」「ラデッキー行進曲」ワルツにポルカと世界中に愛される名曲の数々です。父親とうまくいかず、後には同業者としてのライバルにもなりますが、音楽の影響は幼いころから受けていたのではないでしょうか。オペラから笑いの要素を強調して生まれたオペレッタは、ヒット作が多くなく得意としていなかった(台本に恵まれなかった)ようですが、「天国と地獄」のオッフェンバックに触発され、3人目の奥さんのサポートで「こうもり」「ジプシー男爵」などを手がけています。
「こうもり」はウィーン国立歌劇場はじめドイツ語圏では、喜歌劇にもかかわらず一流の歌劇場でも大晦日に上演されます。
役人を殴って5日間投獄が決まってしまったアイゼンシュタイン、若い恋人がいるその妻ロザリンデ、アイゼンシュタインの友人で通称『こうもり博士』のファルケ博士、おてんば娘の女中アデーレはじめ個性的な登場人物が、自分の素性を隠してオルロフスキー公爵の夜会にそれぞれの思惑を持って出かけていきます。まあ一言で言ってしまうと「こうもり博士の復讐」なのですが、アイゼンシュタインのみならず観客まで巻き込む『ドッキリカメラ』的なストーリーです。「全てはシャンパンのせい」チャンチャン!で幕と成ります。
「こんな弁護士では」
アイゼンシュタインと妻のロザリンデ、弁護士の三重唱です。5日間刑務所に入ることに異論を唱えた弁護士のおかげで更に3日延長になり口論が始まります。楽譜には記していませんが、テンポの変わり目はrit.などで自然に繋げてください。Fはロザリンデが夫を慰めるメロディーです。Iからは伴奏は軽く、旋律は流れるように前向きに演奏しましょう。
「では私ひとりで」
しばらく夫に会えない嘆きをロザリンデが歌いますが、夫もお手伝いもロザリンデ本人も内緒で行くパーティーを楽しみにしています。Cからの旋律は何回か繰り返されますが、最初ゆっくりから始めましょう。二つの音楽の対比が楽しい曲です。
「さあ早く飲もう」
ロザリンデと若い恋人、アイゼンシュタインを迎えに来た刑務所長による第1幕のフィナーレです。1stと2ndによる甘い旋律は「ままならぬことは忘れて幸せになろう」と歌っています。Dからは恋人が夫だと偽って刑務所長に弁解するロザリンデ。FはAllegroですがゆったりと演奏しましょう。Gからは「さあ住み心地の良い刑務所へでかけよう」と所長が歌います。テンポがめまぐるしく変化しますが、曲のキャラクターをイメージして演奏してください。
「今までになかったような」
第2幕の冒頭です。合唱によって「今日の夜会は前代未聞」と歌われます。
「故郷の調べは」
ハンガリーの貴婦人に変装したロザリンデの素性がみやぶられそうになり、「故郷の調べが郷愁をかりたてる。ああ愛しい故郷」とチャルダッシュを歌います。前半のラッサン(ゆったりした部分)は細かくテンポを揺らして歌いましょう。後半フリスカ(急速なダンス)は軽快に演奏してください。Jの前でいったんrit.をかけて仕切りなおしても良いと思います。
「兄弟となれ姉妹となれ」
パーティーの仕掛け人、こうもり博士が友愛の歌を歌います。
「こうもり」は演出だけでなく音楽も追加や削除が自由に行われます。よく挿入されるのが「ピチカートポルカ」や「トリッチトラッチポルカ」などのポルカです。この編曲はパッツァの劇音楽シリーズとしてリサイタルの為に書いたもので、「雷鳴と電光」を使いました。別の曲ではありますが、楽譜を掲載して頂けることになりました。エンディング曲として使えると思います。
シュトラウスと劇音楽の魅力が十分楽しめる曲たちです。是非、実際の舞台をご覧になってください。勉強のつもりで見始めたのに、気がつけば所々で「ぷぷっ」っと笑いながら楽しんでる自分がいると思います。